「教えて茶道」Vol,68

皆様お盆休みはいかがでしたか?
楽しい思い出の引出しが又一つ増えたでしょうか?
そうであることを祈っております。
私は、夫とアンコールワット観光へ出かけました。
簡単に感想を書きましたのでお読み下さい。
台風の影響で涼しくなりましたが、まだ、暑い日が続くでしょう。
お気をつけてください。

お茶のほうでも、極暑の時のお点前があります。
去年述べましたが、新しい方も増えているので、簡単に説明いたします。

夏を涼しく、演出するお茶の作法に
「葉蓋(はぶた)」
「名水点(めいすいだて)」
「洗い茶巾(あらいちゃきん)」があります。

「葉蓋」
葉蓋の扱いは、水指の蓋の替わりに、木の葉を蓋とするので、
時期は夏がよいのです。
この扱いは、裏千家十一世玄々斎の創案で、ある年の七夕の趣向の茶会
に、自分の好みの末広籠の花入れの受け筒に梶(かじ)の葉を蓋して
使用したのが始まりになります。
末広籠の受け筒と言うのは、黒塗りの桧の曲に、切箔を散らしたもので
すが、陶磁器の水指でもさしつかえはありません。
しかしこの扱いは、運びで、木の葉の蓋にしますから、大きな水指は使
用できません。
蓋にする葉は、梶の葉をはじめ、桐、蓮、里いも、蕗などの大きな葉が
よいのですが、毒素や悪臭のある葉、汁の出る葉などは用いません。
適当な葉をよく洗い、表を上向きに、葉の軸が自分の前にくるようにし
て、水指の上に置きます。
置きやすいからと、葉をうつ向けに置くのはいけません。

「名水点て」
名水を茶の湯に使用することは、昔からさかんに行われていました。
京都では、醒ヶ井、利休井戸、宇治川三の間の水などは、昔から名水と
して有名です。
名水点ては、そのような水を汲んできて、茶の湯に用いるのですが
客に名水であることを示す為に、水指にシメ飾りをしておきます。
水指は、新しい木地の釣瓶を使用します。まず水で十分に湿らせて置き、
シメを張ります。
シメの張り方は、前後に二つ、両横に一つずつ幣をつけて、勝手付の向
こうの角で縄を結びます。
なお、名水点は、濃茶でするのがふさわしのです。

「洗い茶巾」
ごく浅い平茶碗に、水を七分目ほど入れて、茶巾の端と端との対角線を
取って、二つに折り、その端を茶碗の右方に少し出し、その上に茶せん
を仕組み、茶杓を普通にのせて置きます。
茶碗に水が入れてあるので、運び点前でも棗、茶碗と同時に運び出すこ
とはしません。
茶碗だけを始めに運び、両手扱いします。
棗は右手の平にのせて、建水と一緒に運びます。
点前の中で、茶巾を上に引き上げる時は、ゆっくりと水の音が聞こえて、
涼しさを感じさせるようにしましょう。