茶道具(8)
<花入れ>
その種類と扱い
花入れの種類を真(しん)、行(ぎょう)、草(そう)に分けられます。
これは、位あるいは格調のことで、これは取り扱いの上の約束によります。
真の花入れは、仏具からでた「古銅」「青磁」「染付」「赤絵」「こうち」
「古銅」胡銅鶴首花瓶(こどうつるくびかへい) 銘 鶴一声
「青磁」青磁鳳凰耳花瓶(せいじほうおうみみかへい)
「染付」染付人物図花瓶(そめけつけじんぶつかへい)
「赤絵」色絵龍文花入(いろえりゅうもんはないれ)
「こうち」こうち勾玉耳花入(こうちまがたまみみはないれ)
行の花入れは、国焼物で、釉薬のかかった「瀬戸」「丹波」「膳所」「高取」
「信楽」「萩」でも、釉薬がかかったものは<行>の花入れとなります。
楽焼は、侘びたもので<草>の扱いをしますが、その形状に
よっては<行>の扱いをすることもあります。
例えば、大樋焼の「大鶴首花入」や、宗旦好みの薄端鯉耳花入
草の花入れは、国焼きで、釉薬のかかっていない「備前」「伊賀」「信楽」
「常滑」、又南蛮ものや「楽焼」「大樋焼」など。
「備前」耳付花入(みみつきはないれ)銘 福耳(ふくみみ)
「伊賀」花入(はないれ)銘 芙蓉(ふよう)
「信楽」経筒花入(きょうづつはないれ)
他には、竹、籠、瓢などの花入れも<草>の扱いをします。
「竹」 竹二重切花入(たけにじゅうぎりはないれ)銘 よなが 千利休
「籠」 籠花入(かごはないれ)久田宗全(ひさだそうぜん)
今日では特殊な例を除いて風炉にのみ用いる約束になっています。
「瓢」には古瓢と新瓢があり、古瓢は、銘にもよりますが、炉・風炉ともに
使用してもかまいません。新瓢は酷暑の頃のみに用いるのが約束で、
新鮮な涼しい風情があって、時季に適した面白いものです。
この場合は濡らして用います。
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