「教えて茶道」Vol,98

まだ三月というのに、桜が満開になっている所もあり、桜祭りを予定している
所では大あわてだそうで、桜見物を予定している旅行社もたいへんらしいです。
本当にせわしない、罪作りなことですね。

着物を着て、しかも歩く姿が美しいのは素敵なものです。
歩く時も背筋を伸ばし、下腹に力を入れ、呼吸を整えるのが基本です。足はつ
ま先から下ろし、かかとがついたらつま先が上がるように、畳を擦るように歩
きます。
畳を擦る音をわざとたてるのは、亭主が茶室の様子を知る手がかりにするため
です。
上体を動かさず、指をきちんと伸ばして足の前に軽く添えます。急ぎ足になら
ずに、自分の呼吸に合わせて進み、目線は足元ではなく、少し先を見ます。
また、畳のへりや拝見の道具を出す付近は踏まないように気をつけます。


<掛物 禅語の読み方>
「日々是好日 にちにち これ こうにち」
毎日を最良の日として生きること。
雲門禅師の言葉として、最も知られている禅語の一つ。
しかし、我が身を振り返ってみれば、過去にこだわり、失敗を繰り返すまいと
未来に過大な期待をいだき、その心が無理を生んで、結局又うまく行かなくな
ってしまう…。まず、捨て去るべきは、そのようなこだわりの心だ。
持つべきはつらい日でさえ良き日と転ずる心。
今日一日を最良の日と観ずることができれば、すでに人生は「日々是好日」
となっている。
「是」は、捨て字と言って意味はない。


<茶事>についての補足
<席入り>
迎付を終えた客は、正客から順につくばいで手水を使います。
両手を清め、口をすすぎ、神聖な気持ちで茶室に進みます。
狭いにじりぐちから席入りは、慣れないと、少々まごつきますが、前の方の所
作を見習って、頭を下げ、膝からぐっと入ります。
庭ぞうりの扱いにも心遣いをして、前の方の脱いだぞうりを重ねて横へ置いて
あげます。
お詰(つめ 最後の人)は軽く音を立てて戸を閉め、席入りの完了を亭主に知
らせます。
各自、まず床の掛軸、次に釜を拝見し、席に着きます。
亭主が茶道口より挨拶に現れて、客一人ひとりと初めて挨拶が交わされます。
客は茶事への招待されたお礼を述べ、寄付の掛物、露地の風情、本席の軸など
の話題とともに、挨拶を終えます。