「教えて茶道」Vol,9

六月に入りますと、あちこちでは、田植えも終わり、
そろった早苗は恵みの雨を待っています。
梅雨の季節になると、雨で気も滅入りがちになりますが、
体の調子を狂わさないように、心掛けて下さいね。

六月からは、着物は一重(ひとえ)になります。
裏がないと云うことですし、絵柄も涼しげで、
透けています生地ですから、
見た目にも涼しげですが、
そのくらいではとても涼しくはないですね。
昔の人はえらいナーと感心します。

お濃茶について
お茶の主体はやはりお濃茶です。

利休居士の時代から濃茶が、又濃茶道具がもっとも
重要視されてきました。
特に濃茶には、深く厳しい精神的な準備と、正しい訓練が
行なわれて初めて、その手前が出来るのです。
お湯を沸かし(炭手前)食事をさし上げ(会席)
お菓子をいただいてから、お濃茶をいただきます。
それから、くつろいだ雰囲気の薄茶になります。

お濃茶はその名の通り、どろりとした、濃いいお茶です。
お湯とお茶とを練るということが主眼で、薄茶のように
ただ泡を立てればよいというものではなく、
茶の分量、湯加減、練り加減の三つが肝要なのです。

大寄せのお茶会にてのお濃茶のいただき方
一碗で、4〜6人で、まわし飲みいたします。
正客が茶碗を左横におく。全員が総礼をする。
次の方に「お先に」と云っておく。
亭主の方が「何人さん」でとおしゃるので、
残らないように足らないように三口で、 加減しながら、いただく。
手の上にのせて、2回手前に回していただきます。
飲んだ後は、畳の上において、飲んだ所を
濡れ懐紙か、懐紙を揉んで柔らかくして
2〜3回拭いて、綺麗にします。 手の上にのせて2回向こうに回して、 茶碗を上の方を右手で、下の方を左手で持って 次の方に手渡します。 次の方は右手が茶碗の右側、左手が茶碗の左側を持ちます。
手渡した後、お互いにお辞儀をします。