「教えて茶道」Vol,89

 

先週あたりは、ぽかぽか陽気でしたが、だんだん寒くなってきました。
風邪にはご用心してください。
私は野沢温泉まで、スキーに行ってきました。この時には珍しく暖かく、
そして完璧の晴れ日で、360度の景色を楽しみました。
新しくしたスキー靴、板の性能と言うか、スポーツオンチの私を上手に
させる製品の進歩には驚きです。そのお陰で一回も転ばずに滑れました。
温泉もたくさんあって、いろいろ入って一段と女を上げて参りましたが、
皆様に見せられないのが残念。とか、言っております。


一月の異名 睦月(むつき)太郎月 初月 初花月
銘では、不老不死(ふろうふし)蓬莱(ほうらい)若水(わかみず)
    高砂(たかさご)七草(ななくさ)初音(はつね)
    雪明り(ゆきあかり)三番叟(さんばそう)

けいこ始めの茶会は、諸飾り(もろかざり)の真台子に島台茶碗を用い、
本席掛け物には宸翰(しんかん)、または公家のものの懐紙など晴れや
かな道具組とします。松の内を過ぎると大寒の日々になり、筒茶碗、
塩笥(しおげ)の茶碗の温もりを味わいます。十日戎や甲子釜などのお
めでたい趣向の取り合わせも楽しみです。

諸飾り(もろかざり)
総飾りの意味。床飾りの一種。初座に掛け物、後座に花入を飾るのが普
通であるが、初座に、掛け物と花入を飾ることを言う。

宸翰(しんかん)
天子の直筆の文書

懐紙
和歌・連歌・詩・俳諧などを詠進する正式な料紙。


<茶事>についての補足
懐石のきまり事
懐石は茶事の為の食事で、一汁三菜(汁、向付、煮物、焼物)を基本と
します。その名は禅僧の修行僧が空腹と寒さをしのぐ為に腹にあてた温
石(おんじゃく)・懐石(ふところいし)に由来し、これが転じて空腹
をしのぐ程度の軽い食事を懐石と呼ぶようになったと言われます。
茶事での懐石も、あくまでも主役である濃茶をおいしくいただく為の軽
い食事を旨とします。肝心なのは料理の品数や贅沢な材料ではなく、亭
主が精神誠意を込めた料理を供することにあります。ご馳走をしすぎる
のは避け、しかも粗略にならずに程ほどに、この見極めが懐石の心でし
ょう。日頃の鍛錬の成果が試されることでしょう。