「教えて茶道」Vol,82

少しづつ、寒くなってまいりました。
先週は連休があり、皆様、紅葉を楽しまれたでしょうか?
私はとても忙しい一週間でした。
長浜一泊旅行、琵琶湖のほとり、ひなびた観音堂までの、紅葉のトンネル
と、もみじのじゅうたん。紅葉、もみじに囲まれて…
まるで紅葉饅頭にように、あったかな気持ちになりました。例えが悪すぎますね。
奈良ニ上山ハイキング、この時もいいお天気で、ルンルン気分でした。
大台ケ原の日出ヶ岳登山、夜の11時過ぎに、大台ケ原駐車場到着、夜空の
なんと美しいこと、流れ星も見ました。
山々は迫り、山ひだは錦秋、にしきおりのようでした。
テラスのように飛び出た岩場では、思わず、手を広げてタイタニックをしそうに
なりました。それほどに美しかったです。
最後に岩登りと、高所恐怖症と言いながら、登りました。
そこからは、山から金茶色があふれ、小判がザックザックと言う風でした。
おかげで、今年の紅葉は、いろいろな所で見れましたから、幸せでした。
 

正午の茶事(2)

<初座 挨拶>
客が座に定まった気配を見て、亭主は茶道口を開け、主客総礼します。
正客は「どうぞお入りを」と声をかけ、亭主は席中に入ります。
正客は扇子を前にして進み、今日の招待のお礼を述べます。
正客から順に挨拶を交わします。
主客の挨拶が一巡すると、正客は待合の掛け物、道具について尋ね、心入
れを感謝します。露地の風趣をたたえ、本席の掛け物について尋ねます。
亭主は正客の話しの切れ目を見て茶道口に下がります。

<初座 初炭手前>
亭主は茶道口建付けに炭斗(すみとり)を置き、襖を開け、主客総礼し
ます。亭主は炭斗を両手で持って席に入り、炉の右横に、釜のならびに
置きます。次に亭主は紙釜敷を、わさを奥に懐中に入れて、灰器を持っ
て席に入り、襖を閉めます。
灰器を右手で持って炉正面まで進み、下座右斜めに向いて座ります。灰
器を左手に扱い、右手で敷き合わせの隅に置き、炉正面にまわります。
羽箒(はぼうき)、火箸、カンを取りだし、香合も出します。
帛紗をさばいて釜の蓋をしめきり、右手でカンをとって、両手で左右に
割って、釜のカン付にかけます。懐中している紙釜敷を取り出して、炉
縁の左前横に、わさが炉を向くように置きます。
ひと膝前に進み、釜を上げて紙釜敷にのせます。カンを釜にあずけて斜め
左にまわり、釜を畳中央右よりまで引きます。カンをはずします。

<初掃き 炉中拝見>
炉正面に戻り、羽箒で、初掃きを始めると、正客から順に、次礼して、
炉辺に寄って拝見します。
亭主は火箸を取り、右膝でついて持ち直し、下火を直します。
火箸を炭斗に戻して、炭斗を右斜め向こうへ置き、下座右斜めにまわり
ます。灰器を取って、左手を添えて炉の横に置き、左手をそえたままで、
灰匙で、灰をすくって、炉の中にまき入れます。
まき終わると、灰器を元の位置に戻します。
羽箒で、中掃きをします。
炭斗を元の位置に戻し、右手で火箸を取って、左手に持たせ、右手で胴
炭(どうすみ)を持って炉の中手前側、五徳の爪の間に置きます。
その指を懐紙で清め、左手の火箸を右手で持って炭をつぎます。
初炭は、丸ぎっちょ、割りぎっちょ、丸ぎっちょとつぎ、丸管炭(まる
くだすみ)と割り管炭を二本いっしょにつぎます。枝炭(えだすみ)は
五本一緒に火箸ではさみ、管炭に持たせかけるようにつぎます。
点炭(てんずみ)をつぎ、火箸を炭斗に戻します。
炭をつぎ終わると、末客から次礼して順次席に戻ります。
後掃きをして、香をたきます。香合の蓋をした時、正客は拝見を請います。
亭主は香合を回して拝見に出します。
体を斜めに向けて、左手でカンを取って、カン付きにかけ、始めに釜を
引き上げた位置まで戻します。炉正面に向き直り、釜をかけます。
紙釜敷きを左手に取り、炭斗の上でちりを払い、右手で持ちなおして
懐中します。
釜のゆがみを正し、カンをはずして合わせ、炭斗の中手前に置きます。
ひとひざ下がって羽箒をとり、釜の蓋を「ア」の字を書くように掃き
ます。

<香合拝見>
灰器が引かれると、正客は香合を取りに出て、上座横に置きます。
亭主が炭斗を持って帰られ、襖が閉められると、拝見します。
正客は「お先に」と次礼します。香合を縁外に出し拝見し、次客に縁内
に送ります。
末客まで拝見が終わると、末客と正客との出合いで、香合を返します。
亭主は襖を開けて入り、炉正面に座ります。ふくさをさばいて炉縁が
真塗り(しんぬり)の時は炉縁を三回にふき、ふくさをさばき直して
釜の蓋をふき、ついで蓋の向こうを少しきります。
つぎに、香合正面に向き、正客の香合、香銘についてお尋ねに答えます。
亭主は香合を持って茶道口に下がり、建付けに置いて主客総礼します。
つづいて亭主は「勝手を見つくろいまして粗飯を差し上げます」と
挨拶して、襖を閉めます。