「教えて茶道」Vol,77

 

ひと雨ごとに秋が深まってまいりました。
一日の朝晩で、気温差がかなりあります。
風邪を引かないようにご用心ください。

前にも申し上げましたが、十月の決まり事を整理してみましょう。
中置(なかおき)と言う点前になります。十月だけです。
普通は、左端から風炉、水指と置きますが、
風炉を点前畳中央に置きますので、水指は
風炉敷板左前斜めに座って、水指を敷板半がかり、畳の左縁と敷板の
中間に置きます。
ですから、大きいのではなく、細長い水指を使用します。
棗とお茶碗は、元の水指前に置く位置に置き合わせします。
蓋置は、水指正面に置き、柄杓の柄は、膝頭中央にきます。
柄杓を釜に置くと、真正面になりますが、こころもち左よりに置きます
と、茶筅通しが、しやすいです。
敷板に大板や中板などを用いたりします。
大板の場合、板の手前、左に蓋置き、横まっすぐに柄杓を置きます。
飾る時は柄杓と蓋置きをとじ飾りします。
即ち、大板の左側に縦まっすぐに柄杓を置き、柄杓手前右にカタカナの
トの字のように飾ります。

中置点前の時の諸道具は、大体侘びた趣向でしますので、
風炉も鉢の鉄のかけた破風炉とか、ときには大摺鉢に
藁灰等を入れたりして使用するのも面白いものです。

また、十月は名残の月でもあります。
半年にわたって親しんだ風炉とも今月限り。
名残の茶事が行われるのもこの時期、十月中頃から十一月始め。
残茶・余波の催とも言います。

去年の口切から使い続けてきたお茶が、風炉の終わりの時期になると
残り少なくなるため、茶そのものに名残を惜しむ侘びた茶事です。
また、お茶だけでなく、やがて深まる秋と共に去りいくものへの
名残がつのります。

花は、残花と言って、たくさんの花を、奇数を入れます。

欠風炉(かきぶろ)
鉄風炉の甑や肩の一部が欠けてなくなったものや、割れを継いだもの、
破れ風炉(やれふろ)・やつれ風炉とも言って、この時に使います。

欠け茶碗
欠けや割れの入った茶碗に繕いを施した物など使います。