「教えて茶道」Vol,65

 

厳しい暑さが続いていますが、皆様お変わりございませんか?
夏は暑いものだ、とはわかっていても、この暑さ。
うちわ、打ち水、風鈴、行水、金魚鉢、かき氷、昔の涼しくなる
ものをあげても、追いつかない異常な暑さのようですね。


貴人点(きにんだて)薄茶 <1>
貴人点は、高貴な方にお茶を差し上げる場合の点前作法です。
したがって用いる道具も掛け物、花入れ等の他、茶碗、貴人台、薄茶器、
茶杓など、新しい物を用いるのがよろしい。
この点前は、濃茶、薄茶とも、一人一碗が約束されており、菓子器には、
高杯(たかつき、高い足付きの器)を用い、これも一人一つずつとします。
この点前では、半東(給仕役)が茶碗や、拝見の道具の取次ぎをし、踏み
込み畳に斜めに、両手をついて控えています。
棚を据え、水指を莊り、棚の上には薄茶器を莊付けておき、水屋には、
貴人茶碗に茶巾、茶筅、茶杓(いつもどうり)を仕組み、貴人台にのせます。
菓子は、高杯に紙を敷いて干菓子を盛り、持ち出します。
亭主は、貴人台を茶道口の建て付けに置いて襖を開け、うやうやしく一礼を
して、持ち出し畳中央定座に進んで座り貴人台を、右手で右横を持ち、さら
に左手で、台の手前を持ち替えて、勝手付きに両手で仮置きし、棚上の
薄茶器を右手一手で棚中心右寄りに下ろし、貴人台を右手横、左手前を持ち
上げ、つぎに、左横、右手前と持ち替えて薄茶器と置き合わせ、建水を取り
に下がり、持ち出して定座に座り、柄杓をかまえて、右手で建水の中の蓋置
きを取って定座に置き、柄杓をその上に引いて、建水を進め、居ずまいを
正します。
この頃、半東は出て控えています。
以下は薄茶の手前と同様ですが、貴人台は両手扱いします。
薄茶器、茶杓を清め、茶筅を取り出し、釜の蓋を取り、茶巾を釜の蓋の上に
置いて、湯を入れてから、両手で貴人台を手前に引きます。茶筅通しをして、
茶碗を拭き、茶を入れて茶を点てます。
茶が点つと、台を両手で持ち、客付きに回り、右向こう、左手前と回して、
定座に両手で出し、ひと膝さがって、両手をつき控えています。
この時、半東が出て、茶碗を取次ぎ、一膝さがって一礼をして、元の座に
戻って控えます。