「教えて茶道」Vol,64

「茶の湯とはただ湯をわかし茶をたてて
       飲むばかりなる事と知るべし」
茶の湯とは、決して億劫なことでも、窮屈なことでも、またむずかし
ことでもない。ただ湯を沸かして茶を点て、飲むだけのことである。
一口に言えば何でもないことである、しかし、口ではそう一言で言う
ことができても、さて実際行ってみると、なかなか行い難いものである。
柳は緑、花は紅(くれない)と言うことは、誰でもわかっていることである。
しかし、何故柳は緑で花は紅であるかと人に問われて、すぐに答えることが
できるだろうか。
茶の湯とは、ただ湯を沸かして茶を点てて飲むばかりだ、そのくらいなら、
修行も、勉強も不必要だ、と思ってしまえば、それまでのとこだが、
無我無心に、茶を点てることのできる人が、はたして何人あるだろうか。
よくよく自問自答してほしい問題である。

利休百首の解説を紹介いたしましたが、お茶の世界に限らず、社会でも
自分の行き方にも、シンプルではあるが、少し奥深く考えると言うことが、
求められているのではないでしょうか。
禅に影響を多く受けている茶の精神の一番の基本です。
この言葉が理解できれば、あなたは立派なお茶人さんです。