「教えて茶道」Vol,62

夏本番の七月になりました。
もう、2001年の半分は過ぎました。前半は何をしただろうかと反省と共に、
後半戦に向けて、決意も新たにと、意気込んでいる私ですが、
六月三十日には、物騒な世の中、無事に過ごせた感謝を忘れてはなりません。

ものの本によりますと、
六月三十日は、前半の節目の時で、「夏越の祓(なごしのはらえ)」という。
半年無事に過ごせた感謝と、盛夏を迎えて疫病災難から逃れたいと言う願い
をこめた「夏越の祓」は、各神社で名前を書いた紙の人形を水に流したり、
茅(ち)の輪をくぐったりするみそぎの行事のことです。
昔はこの日に、氷を保存していた氷室から宮中に氷が献上されました。
その氷を食べると夏痩せしないと言われ、庶民はそれに習い、氷片を表した
餅の生地の上に小豆をのせた水無月(みなづき)と言うお菓子を食べるよう
になりました。

炭点前
お茶の稽古の最終目的は、茶事をすることです。
茶事は、お客さまにおいしいお茶を差し上げることです。
それは、一連の流れがあります。
茶室に入った後、あいさつ、炭点前(初炭)、食事、主菓子、濃茶
炭点前(後炭)、薄茶
ニ回、炭点前が行われます。
簡単に炭点前を述べておきます。

炭斗(すみとり)を茶道口置き、一礼して、風炉の右に並べて置く。
水屋に入り、紙釜敷をわさが外になるように懐中し、灰器を右手に持って
入り、風炉前勝手付きななめに座り灰器を左手に持ち替えて、灰匙の柄が
上座に向くように道具畳の左後ろ隅に置き、風炉正面に向う。
羽箒、カン、火箸、香合を出してから、釜の蓋を閉めます。
カンを釜かけて、懐中の紙釜敷きを取り出して、その上に釜を下ろす。
釜を畳の中心より上座まで引き、カンを外す。
羽箒ではき、火箸で、順序に従って炭をつぐ。
羽箒ではき、灰器を前に置いて、前土器の手前を灰匙で少しすくい取り、
その灰を五徳の向こうにまき落とす。このとき、灰にちょうど月型ができる
ので、これを「月型を切る」という。
もう一度羽箒ではく。香合をとって、お香を火箸で、一つは火の中、一つは
胴炭の上の置く。
客は、香合の拝見を乞う。亭主は正面向けて拝見に出す。
釜を風炉にかける。紙釜敷きを懐中する。
羽箒で釜の蓋をふき、釜のふたを切っておく。
灰器、炭斗を持ってはいる。
拝見の終わった香合を、持って水屋に退き、茶道口にて、一礼する。