「教えて茶道」Vol,54

皆様、連休はいかがでしたか?
明日への活力源になりましたか?それとも、遊び疲れが残っていますか?
遊びにも、体力、気力、そして後には疲れもありますね。
うまく自分のエネルギー配分して、気分切り替えがポイントですね。
わかっているけれど、出来ないのがつらいですね。

五月から、風炉の季節になります。
風炉は一年中使えますので、炉のように、改めて開炉というのはありません。
前にも書きましたが、柄杓(ひしゃく)の扱いが、少々むずかしいですが、
練習をしてなれれば、問題はありません。
魔よけに通じると言われている弓矢の作法を取りいれた所作です。
(柄杓の扱いはbUに説明しています)
ですから、難しそうにせず、優雅に見せるのも、お客さまへのもてなしの
一つだと心得て練習してください。

柄杓(ひしゃく)について
差通し(さしとうし)と月形(つきがた)、がある。

差通しは、合(ごう、湯を汲む丸い部分)を柄が差し通った柄杓で、
     台子(だいす)、長板の総飾りの時に用いる。
     杓立(しゃくたて)に飾るので飾り柄杓ともいう。
月形は、 一般の点前に使うもので、風炉用と炉用がある。
 風炉用は、合が小ぶりのもので、柄の切止の身の方が削ってある。
 炉用は、合が大ぶりで、切止の皮目の方が削ってある。
 <み そぎぞ なつのしるしなり>と、覚えたものです。

茶会の道具より

花入れ  唐物写し牡丹籠(からもののうつしぼたんかご)
     大ぶりの繊細なあみ籠でした。
     畳床、薄板は使用していませんでした。
花    オオヤマレンゲ
     花は卵大で白色がとてもきれいでした。茶花は蕾を使用しますが
     この花の芯は赤なので咲くと赤と白のコントラストが
     とてもきれいです。
香合   奈良彫り 兜(かぶと)
     色彩があって見事なかぶとで、五月しか使えない贅沢な道具です。
棗(なつめ)八橋蒔絵平棗(やつはしひらなつめ)
     平棗は、ひらべったくした棗で、扱いは蓋の上をふく時は
     手のひらに持ち替えて清めます。
     とても立派な時代を感じさせるものでした。
茶杓   淡々斎 山郭公(やまほととぎす)
菓子   銘 唐衣(からころも)
     紫色の皮に黄みあんが包まれたお菓子でした。
     かきつばたを表現しています。
 
*唐衣、八橋といえば、杜若(かきつばた)を連想して下さい。
「伊勢物語 東下り(あずまくだり)」の中に
唐衣 着つつなれにし 妻しあれ はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ
在原業平(ありわらのなりひら)が、東下り(東京へ行った時)して、
はるばる都から、遠くへきた旅に涙を流したと言う故事からのもの。
和歌の中に、かきつばたという文字を詠みこんでいます。