「教えて茶道」Vol,46

 

冬がいまだ去りがたく、寒さをぶり返して雪がちらほら、
今ごろ京都でも雪景色が見られました。
趣ある風情でいいですが、三月ともなれば、もう春が待ち遠しいですね。

三月は釣釜(つりがま)が用いられます。
用いる釜は、雲龍(うんりゅう)、車軸(しゃじく)鶴首(つるくび)などの
細く長いめのものがよいでしょう。
炉中は、釜を置く五徳(ごとく)はありませんので、蓋置きとして、使うことがあります。
釣ってある釜なので、揺らぐ心配があるので、柄杓を置く時などに、
ちょっと気をつけましょう。

茶道具(6)
<服紗(ふくさ)について>
服紗は、服茶・袱紗・帛紗等とも書き、
    持ち服紗(使い服紗)点前の際に茶器を拭き清める出し服紗、
    古服紗があります。
持ち服紗は、
 主に亭主や半東、点出しされるお運びの方々が腰につける点前服紗
 として、茶器や茶杓を拭き清め、釜の蓋などの熱いものを取り扱う
 時に用いられ、他には拝見の際、床に器物を飾る時の敷物として用
 いられます。
 用いられる裂地は主に塩瀬で、色についてはやはり紫と朱、赤が多く、
 他には染め服紗がいろいろあります。
出し服紗は、
 濃茶点前の時に茶碗に添えて出される服紗のことで、裏千家ほうで
 は主に古帛紗が用いられています。
 用いられる裂地は由緒ある貴重な裂や古代裂、金襴、銀欄、緞子、間
 道、しょうは、などがあります。
寸法については、服紗は八寸八分×九寸三分の利休形
 古帛紗は、五寸角
仕立て方は、服紗、古帛紗とも三方縫いで、縫い目のない、折り目の
 一辺をわさといい、向って右にくるようにします。


私は、母の帯地を織った残り布があり、何かにしておきたいと考えてい
る時に、古帛紗を作りました。お稽古の時に使用して、先生より珍しい
布だと言われ、ちょっとうれしくなったことがありました。
残り布も、晴れ晴れとして喜んでいると思います。


<読者のコーナー>
ほのぼのとする詩を一編御披露します。

       「きらり光る大阪の海」
   
     冬至をすぎたと思えない
     暖かい今日の天皇誕生日
     大阪港天保山のサントリーミュージアム
     ロートレック展を観にいったあなたと私
     
     裏口から見たムーランルージュ
     太った女の<朝の目覚め>はまだ眠たそう
     しげしげ自分の顔と向き合う<鏡を見る女>
     人いきれの中足たかく揚げて踊るカフエの女
     みんな額縁の中で生きている

     「美人じゃないのがほっとするね」
     ミュージアム最上階のレストラン
     小びんのビールで乾杯
     あなたはカレー 私は和定食弁当
     大きなガラス窓の外
     冬の陽をうけてきらり光る大阪の海