「教えて茶道」Vol,185

先日友人がお茶席を持たれました。勿論喜んでお手伝いいたしました。何
しろ、ないかしらお茶に関することに接しているとハッピーな私です。
市の建物の中でしたが、いい設えで、こんな処でお茶会ができたらなーと
いう場所でした。
読者のお一人がお客さんでいらしていただきました。
一人、一人ですが読者が増えていますのは、うれしいことです。
先日は、シアトルの方からメールが届いて、感激いたしました。
外国でも、メールが読めるなんて、科学の進歩には驚かされますね。いつ
でも好きな時に、時間を考えずにメールを送れるのがいいですね。
また、海外でお茶をたしなんでいただけることもうれしいことです。
いつも言うようですが、日本人だけでなく、世界中の人で、お茶の好きな
人に日本の誇る芸術のお茶を学んでいただけたらこんなうれしいことはあ
りません。また、日本人でも、アメリカやヨーロッパ、アフリカの文化や
芸術を好きになったならどんどんと学べばいいと思います。日本人だけと
か、日本人だからとか、外国人だからとかは言わずに世界の人が好きな事
を、国境を越えてしたら良い、これからは世界は一つの精神で何事にも思
いを馳せる時代ではないでしょうか?

読者の方からこのような質問がありました。
> 神仏、貴人に献茶をするとき天目台というのを用いるそうです。それに
> 尼崎台と称するのがあると聞きましたがこれはどのようなお道具ですか。

天目台は知っておりましたが、尼崎台は知りませんでしたので、辞典で調
べました。皆様にもお知らせいたします。私にもいい勉強になりました。

お茶のけいこに「貴人点」というのがあります。
名前の通り、貴人様に差し上げる時に、茶碗を貴人台に載せて、お茶を点
てて差し上げる点前です。
その時は、貴人台は木地を使います。

もう一つは「だいてんもく」という点前で奥伝の稽古になります。
天目台
 天目茶碗をのせる台。茶碗とともに中国から渡来した唐物で、
堆朱・堆黒・倶利・存星・蒟醤・青貝入りの漆塗のものが用いられる。
わが国でも模作が多い。
元来天目台は仏前に奠湯の際、天目茶碗と共に用いられ、荘厳感・謹敬の
意を現した。
その後、高貴な人への呈茶用にも木地の貴人台と称する貴人台が用いられ
るようになった。
天目台はホウズキ(茶碗を受ける部分)・ハネ(縁)・土居(高台)から
なる。
種類には七つ台・数の台・尼ヶ崎台などのほか、蚊龍の台・竹の台・貝の
台・五葉花形の台などがある。
尼崎台
唐物天目台。七台ななつだい(数台)と並び称された。黒漆塗。
地付の内にむかで状の印が手書きされているので、むかで台あるいは印台
ともいわれる。
天王寺屋宗柏が七台の姿を写して渡唐の紫野道堪に二十台調達を依頼した
ところ、道堪は十台をもたらして攝津国尼崎に帰朝、その一台は船中に忘
れられたので九台が伝来したと説かれる。
伝承はいろいろに分かれるが、七台に対してむかで印十個、梅鉢印十三個
の計二十三個を尼崎台といい、七台と合わせて三十個を数台というの説明
もある。ともかく、尼崎に伝来したという伝承に飾られた唐物台のことで
ある。

<裂地 きれじ>

繻珍 しゅちん シチン。一説に、唐音「七糸緞 しちんたん」の転。
        繻子の地合に地緯糸の外に数種の絵緯糸を用い、これに
        模様に従って表面にあらわし、浮組織として模様を織り
        だしたもの。主として女の帯・羽織裏用。

        
蜀は しょうは 名物裂の一種。紹はとも書き「しょば」ともいう。中国
        明代万暦年間(1573−1619)の製が有名。種々の色の経
        緯糸を使って綾織風に文様を織り出したもので、薄手の
        ものには、黒と薄桃色の糸で唐子人形を織り、織り留を
        牡丹花紋としたもの、厚手のものには、茶地に牡丹唐草
        ・馬上人物・人形手などの文様を織り出し、織り留の濃
        緑色に牡丹唐草、薄浅黄地に「富貴長命」の文字を織り
        出したものがある。仕覆・古帛紗・表具裂として使われ
        る。中興名物「濃茶入」・同「甫十銘楽茶入」の挽家袋
        に使われている。

蜀江錦 しょっこうにしき
        錦裂の一種。蜀錦ともいい、蜀紅錦とも書く。中国四川
        地方の蜀(221-63)の首都成都で織られた錦。法隆寺伝
        来の隋代の製と思われる紅地錦も蜀江錦と称され、数色
        の平地経錦で、格子蓮華紋・獅子鳳円紋・亀甲花唐草紋
        などを織り出している。また名物裂の蜀江錦は明代の製
        で、紅色鮮やかな地(退色して黄茶色)に、十字に交差
        する線の間に四角・六角・丸形を配し、花紋などでつな
        ぎ合わせた蜀江型といわれる独特の文様を織り出している。