「教えて茶道」Vol,182

あけましておめでとうございます。
皆様はお正月をいかがお過ごしになりましたか?
私は例年のごとくでしたから、無事是貴人の言葉通りでした。
年々時はさっと過ぎ去って行くようで、毎日を大切に、一期一会の精神
で過ごさねばならないと心に言い聞かせてはおります。
今年もよろしくお願いいたします。

恒例になりますが初釜の説明をいたします。

初釜とは、
新春を祝って正月はじめてかける釜。また稽古始めとも、点初とも
いいます。
初釜の時に使われる物として、結柳、島台茶碗、ぶりぶり香合、
花びら餅があります。

結柳 (むすびやなぎ)
正月や初釜の床飾りで、掛柳とも言います。床の柳掛け釘にかけた青竹
の花入れから、長く柳の枝を垂らして生けます。柳は二、三本束ね、中
間で一つ輪にして結び、残りは長く垂らします。一陽来復を祝う心を
表したものです。

島台茶碗(しまだいちゃわん)
井戸形(浅く)に開き、内面に金銀の箔を置いた茶碗で、正月
などの縁起を祝う茶事に金と銀の茶碗を重ね茶碗として用いられます。
三都茶碗(さんとのちゃわん)
島台茶碗、楽・慶入の作 黒・赤・白の三椀で、玄々斎宗室がみやこ・
あづま・なにわと直銘したところからの称。

ぶりぶり香合
香合の一種。正月用の玩具の「ぶりぶり」から意匠されたもので、八角
形の胴にふくらみを持つ形のもの。有職風な彩色を施した陶磁器や塗物
等があり、正月に飾り香合として多く用いられる。

花びら餅
京都の名菓。古くは「お歯固め」の儀式などに用いられた菱はなびら
を菓子化したもので、丸くのばした白餅に、小豆汁で赤く染めた
菱形にのばした餅を重ね、ゴボウを二本、味噌餡と共に包んだお菓子。
押鮎に見立てた物で、(鮎は年魚とも書き、古くより年始に用いられた)
もともと宮中で用いられるものであり、裏千家の初釜のお菓子として明治
の頃から用いられています。

ある冊子に書かれていたのもあわせて紹介いたします。
「菱葩」(ひしはなびら)は宮中の御定式の御鏡餅で、大三宝に奉書が敷
かれ「ほなが」「ゆづり葉」を四方に重ね紅白の鏡餅をのせ、周囲に柿、
蜜柑、柑子、橘、萱、勝栗、四隅に橙、柚を交互に置き、鏡餅の上に大葩
十二枚、大菱十二枚をのせ、その上に昆布二枚重ね、「ほんだわら」二把
左右に垂らし、串柿二本のせて、砂金餅という巾着形の白餅に、伊勢エビ
を水引に結びつけて、と言う立派なものである。
玄々斎宗匠が宮中で御献茶をされた折、頂かれた菱葩を後に模され考案さ
れ、川端道喜菓子店に造らせたことに始まり、お家元の初釜の菓子として
出されるようになりました。

今年の我が家の初釜(もどき)は、
友人お手製の花びら餅をいただきました。年々腕を上げるおいしさでした。
日時が5日だったので、懐石は正月のおせち料理ばかりになりました。
平皿には
サーモンの千枚漬け巻き、とこぶし煮、かずのこ、たたきごぼう
黒豆の松葉とおし、
丸皿には レンコンに紅しんじょのつけ焼き
煮物碗には カニしんじょ、小芋、しいたけ 蓬フ、竹の子、ホウレンソウ、
      ゆず
汁碗には、白味噌仕立て雑煮、かぶら、人参、青菜、もち
ご飯は、じゃこちりめんおにぎり、たくあん

道具類は、
濃茶入は、 瀬戸内海茶入
薄茶入は、 インド製大理石 シアトルにて購入したもの
茶杓は、  戒堂 作「松籟」
濃茶茶碗は、黒楽
薄茶茶碗は、赤楽 泉涌寺窯
      金襴手
      潮風窯 福岡在住のフランス人の作