「教えて茶道」Vol,181

今年最後のお茶事の稽古をいたしました。
今回は私が企画立案いたしました。茶室、道具類、菓子、濃、薄茶、懐石
付で、亭主、半東、正客はこちらで決めるだけでしたのでとてもやりやす
いでした。が、前から役割分担は指示しておいたのですが、茶席でいつも
見る正客の譲りあいの精神がもろに出てもめてしまいました。
四畳半の茶室もありましたが、客側は6人だったので広間を使い、にじり
口だけを使用して入り方のお稽古をいたしました。
道具類はその場所の水屋道具をお借りいたしましたが、それぞれに趣ある
もので、軸は「無事是貴人」大徳寺さんのものでしたがなかなか素晴らし
い墨蹟でした。花はそこら辺でみつくろってと言われましたが、床の間に
掛け竹の花入れに入れますと、立派な花、白椿、紅侘びすけ、りょぶの黄
葉は、似合っておりました。
席入り・挨拶・初炭・懐石・中立・濃茶・後炭・薄茶と、後炭は時間の関
係で省略して薄茶をいただくのがほとんどですが、今回はやりました。
皆、うろ覚えですが、三人寄れば文殊の知恵と、思い出しながら、一応の
順序や決まりはありますが、炭の燃え具合はちがいますから、そこはいつ
も言っているように臨機応変にいたしました。
薄茶をいただきながら、今日の反省をして、亭主半東の役ををしてくださ
った方に感謝して後、後片付けをして帰宅いたしました。
企画いたしました私は、時間がなく下見もせず、料理はどんなものか、場
所はどこか、茶室の設えは、どんな道具かなど、何もかも不安だらけでし
たが、茶事の稽古がしたいという目的だけで計画を進め、心配いたしまし
たが、私もですが参加した皆様も全員満足していただけ、ホットいたしま
した。また、天候も幸いして、冬の最中でしたが、暖かく、腰掛待合では、
冬の日差しを浴びて気持ちいいくらいでした。
懐石の献立表をいただきましたのでご紹介いたします。
向付:平目昆布〆 川海苔 防府
汁 :丁子ふ むかご からし
煮物:カニしんじょ 椎茸 人参 柚子
焼肴:マナカツオ柚庵味噌焼
預鉢:頭芋 穴子 水菜 針柚子
進肴:ごぼう 京人参 水前寺海苔 姫くわい ちしゃとう 胡麻酢和え
小吸物:蕎麦の実 針生姜
八寸:からすみ 焼き目付きゆりね
香物:沢庵 津田かぶら みぶ菜
また、計画したいと思っております。

興味のある方はご一報ください。


<お知らせ>
12月31日 6:00より
京都 梨の木神社にて除夜釜がかけられます。
¥2500
そばと薄茶
お暇のある方はどうぞお気軽にお越しください。
私もお手伝いしておりますので、お声を掛けてください。

今年は今回で終って正月休みにし、次回は1月14日に配信いたします。
今年一年お読みくださってありがとうございます。
皆様お体にくれぐれも気をつけて良いお年をお迎えくださいませ。

      

<裂地 きれじ>

海気 かいき  絹織物の一種。海貴・改機・海黄とも書く。1970〜1615
        にかけて更紗などとともにオランダ人によって舶載され
        た。経緯糸に本練絹糸を使い、緯が表面に多く現れるの
        で光沢がある。種類には、経緯に同色の糸を使って織っ
        た無地海気、斜紋を織り出した綾海気などがある。なお
        1661〜73に甲斐国(山梨県)の郡内地方で生産された甲
        斐絹というものがあるが、これは海気に倣って織り出し
        た物であった。
            
甲比丹 カピタン 時代裂の一種。甲必丹とも書く。元来カピタンとは長
         崎出島の和蘭商館の館長のことであるが、東南アジア
         方面の木綿間道がここを通じて輸入されたことからそ
         れらをもカピタンと称した。利休が賞玩したことによ
         り有名となった。白・茶・褐茶・黄土などの太細組み
         合わせの渋い木綿間道で、桃山から江戸時代前期の輸
         入品である。

間道 かんとう 名物裂の一類。漢島・漢東・漢渡・広東・閑島などの字
        が宛てられているが、間道とは縞模様のこと。鎌倉時代
        以後に舶載された縞織物が中心となり、室町時代以後、
        名物裂と称される裂の中に数多く見られるようになった。
        東南アジア・中国中南部でも織られたと言われる。絹織
        物のほか木綿織物もあり、絣模様のものまで含まれ、ま
        た十八世紀以後の渡来品には染物も多く、その範囲は広
        い。愛蔵者の名を冠した紹鴎間道・利休間道・舟越間道
        ・桑山間道などが特に名高い。