「教えて茶道」Vol,175
選挙戦が終り、静かになって、じっくり秋を味わう時になってまいりま
した。ひと雨毎に寒さが肌に感じます。
さがわしい選挙でしたが、皆様はどう判断をされましたでしょうか?
これで、日本もよい方向に向かってくれればうれしいですね。
時と共に考え方を変えるのは当たり前だとは思うのですが、それをどの
ように、どれくらいのスピードでとか、どの程度とかは難しいし、種々
雑多の意見があるでしょう。
伝統的な文化も勿論考えねばならないことでしょう。伝統だから考えを
変えなくていいとは、私は全然思いませんが、やはり程度が難しいでし
ょうね。伝統が消えることは、一番避けなければならないことでしょう。
<立ち方>
着物を着ている時の立ち方で気をつけなければならないことは、両手は
軽くひざの上の置いたままつま先を立て、かかとの上に腰を軽く載せま
す。この時に背筋を伸ばし、腰から上の姿勢は崩さないようにして、か
かとをきちんと揃えます。そうしないとひざの中までが後ろにいる人に
見えてしまいます。かかとをきちんと揃えるがポイントです。
次に、右ひざを少し立て、立ちあがるにつれて両手は指を揃えて両脇に
下ろし、まっすぐに立ち上がります。このように基本の所作をきちんと
身につけることが大切です。
というのも、稽古に慣れてくると基本を忘れ、所作が粗雑になりがちだ
からです。常に初心に帰ることが美しい所作を生みます。
<茶入>仕覆と蓋
茶入はその付属物も極めて重視されます。
仕覆は、茶入を入れる袋のことで、緞子(どんす)、金襴(きんらん)間
道(かんとう)などの裂で仕立てられています。
名物の茶入に掛ける仕覆は名物裂(めいぶつきれ)と呼ばれる由緒のある
裂が使われ、所有者の名や文様にちなんだ名がつけられます。
裂の種類をできるだけ覚えておくと、仕覆の味わいも深まり、拝見が楽し
くなります。
蓋は象牙(ぞうげ)でできており、その形にはいくつかの種類があります。
盛り蓋(もりふた)・掬い蓋(すくいふた)・瓶子づく(へいしづく)
一文字蓋(いちもんじふた)茶入との釣り合いによって決められます。
蓋を持つ時は、つまみではなく全体を持つようにします。
<掛物 かけもの>

下蕪 しもかぶら 下部が蕪のようにふくらんだ形の花入。
古銅・青磁・志野・黄瀬戸・丹波などに見える。

消息 しょうそく 手紙の雅称。平安時代「しょうそこ」と訓み、文書(
もんぞ)に対して起居動静を問う軽い内容の状(私信)
をいうことになった。文字の書きようも軽快に、また、
漢字なども少なくしたので、「仮名消息(かなしょう
そく)」といわれるものも出現した。
庶民台頭の戦国時代からは貴人の文(手紙)を言うよ
うになった。「豊太閤消息」というような用例もある。
近時はやや安易に使用される傾向がうかがえる。因み
に、これの往信と返信との模範文例を一対とし、これ
を数多く重ねて、手紙の書式及び礼法(書札礼)を示
した藤原明衡の『明衡往来』が現われたが、明衡が出
雲守だったので「雲州消息」と呼ばれた。これにはじ
まっていわゆる「往来もの」が続出、この形式で事物
の初等知識を学ぶ教科書の役割を果たすことになった。
寺子屋の教科書(手本ではない)に至る。           
宸翰  しんかん 天子の直筆(じきひつ)の文書。宸筆。
啄木  たくぼく 掛物の掛緒と巻緒をいう。白・黒。緑の三色の色糸で
組んだ平紐を用い、その色合いがあたかも鳥が木を啄
いた痕の用に見えるところからの名称という。幅が二
分、三分、四分半の三種類があり、なお無地のものも
ある。