「教えて茶道」Vol,174

暖かい日が続いていますが、皆様お変わりございませんか?
先週は失礼いたしました。お蔭様で天候に恵まれ、楽しい仲間と一緒に、
すてきな旅ができました。
敦賀からフェリーに乗り、船中泊して、翌日秋田にて下船。
角館観光〜田沢湖〜後生掛温泉(ごしょがけおんせん)泊
八幡平アスピーテライン〜頂上散策〜網張温泉(あみはりおんせん)泊
夏油温泉(げとうおんせん)泊
中尊寺見学 秋田市内泊
秋田からフェリーにて敦賀にて下船、帰宅。
フェリーに二泊したのも始めてで、お風呂があると聞いて期待していま
した。行きはめったにない揺れで、お風呂の始まりと同時に入り、外の
波の揺れと同じお風呂の湯の揺れ方にキャキャと言って楽しんでいまし
たら、その後荒天のためクローズになりました。帰りはもっと、揺れが
すごく、楽しみのお風呂はクロ−ズしたままで残念でした。
温泉は其々が秘湯で、紅葉に囲まれた道をどんどんとどんずまりまで行
き着くような場所にあり、二度とはこれない所だ等と言って三回は入湯
して温泉を味わいました。
温泉の効果でつるつるのお肌がお見せできないのが惜しい事です。


十一月から炉の季節になります。
風炉は一年中できますが、炉は十一月から四月までです。
炉を開き、同じ頃に口切りの茶事、茶を詰めた茶壷の口を開けて、
その茶を用いて茶事をします。
茶家にとって、新春を迎えると同様のものです。一陽来復(いちよう
らいふく)、新しい年の最初の行事として茶壷の口切り、祝うのです。

口切(くちきり)
茶壷の口を切ること。新茶の葉茶のまま詰茶した壷は口と桐材の盛蓋
とに封緘紙を巻いて封印し、上醍醐、のちには愛宕山に登せて暑気を
すごし、涼気至って茶家に渡り口切を迎えるのである。
なお、将軍家などでは夏の口切(夏切)が行われた。

口切の茶事
茶事の一種。口切をし、茶臼で葉茶を挽き、その抹茶を客に点てて出
す茶事を言う。
詰茶の点初め式であり、正月の点て初め以上に重事である。
開炉の時季とほぼ同じく、九月から十一月初め(旧暦)に行われる。
口切の茶事には、内(ない)口切と口切の二種類があり、内口切は
茶師がはじめて封印を切って壷から新茶を取り出してする茶事のこと
で、一個の壷で一度しか行えないので、厳粛な祝儀である。
この内口切りを行ったあと亭主の印で封じられて行われる茶事を単に
口切と称す。この茶事は二度、三度催うされてもよい。

私は、この季節が一番お茶らしいと思います。
先生の説明によりますと、
お茶やさんが、始めに内内で、口切りをした後、亭主の元に茶壷を届け
ます。その時に昔は屋敷内のと言うか、地元で取れた栗や柿をお土産に
持参されるそうで、それもお菓子の時に一緒に出されたそうです。
茶事の挨拶の後、茶壷の口切りがあり、客は壷の拝見をいたします。
その時、壷を持つ時は水指を持つようにぺったりとは持たないように指
を立てるようにして正客は次客の方へ、次客以後は正客の方へ回して拝
見します。
その後、水屋で葉茶を臼で挽きます。その音を聞きながら懐石をいただく。
なんと、風情のある事でしょう。
その後、挽きたてのお茶でお濃茶、お薄をいただくとなります。
客の順番で、一番は正客、最後はお詰めと言いますが、それは、お茶や
さんが席中で最後の客になっていたのが、お詰めになったと言われます。


<開炉>
茶人は炉を開きます。
十月末か、十一月始めの亥の日(いのひ、いのししのひ)に炉を開きます。
この日は、火事がおこり難いという言い伝えからです。
犬のお産が軽いので、戌(いぬ)の日に腹帯をするのと同じです。
申(さる)の日は火がおこるので、最も嫌われます。
お茶の世界でのお正月のようなものですから、お餅をついていのこ餅や
おぜんざいをお出ししたりもします。

準備する上で注意すべきことは、
竹の蓋置を使用するときは節が中ほどにある炉用を使用します。
柄杓も炉用で、柄の切止めが皮の方にあるものを使います。


<掛物 かけもの>

経師  きょうじ 古くは経卷を書写する者、かたわら表装にあたる者
         を指した。鎌倉時代以後、主として絵巻・経巻など
         の表装の専業者をいう。表補衣師(ひょうほえし)
         ともいう。江戸時代以降、掛軸の表装、襖・障子の
         張替えなども行い、経師屋と称する。

極札 きわめふだ 鑑定家などが古筆などの鑑識の結果を簡略に墨書し 
         た短冊形の札。掛物などの箱に同封しておくのに便
         利だし、古筆屏風や手鑑に貼付けると、それぞれの
         表題ともなるので好まれた。
          
軸木   じくぎ 掛物の軸を付ける芯木のこと。