「教えて茶道」Vol,162

十三日日曜日に友人がお茶会をいたしました。
私は微力ながらも水屋でのお手伝いをいたしました。
梅雨どきの大雨の中、おおぜいさんのお客様で大忙しでしたが、亭主と
もども働き甲斐がありうれしいことでした。
主菓子は、「星の光」外側が葛で中が黄身餡でした。
干菓子は、白色の種煎餅の滝・落雁生地の青楓
盛り方は落雁が上の方ですが、風景を想像すると上から滝は流れ、青い
紅葉は下の方にと、思いつきますね。
四角盆には、右側上の方、左側下の方に盛りつけます。花押があれば反
対にすることもあります。それは約束事があってもその時の臨機応変に
なるでしょう。
茶杓の銘は「氷室(ひむろ)」涼しさを感じさせる銘ですね。
お手伝いは裏方の仕事ですが気を使うので、自分自身の勉強にもなり、
皆さんにも機会があれば是非参加して勉強してください。

季節点前 名水点(めいすいだて)を説明いたします

<名水点>
名水を茶の湯に使用することは、昔からさかんに行われていました。
京都では、醒ヶ井、利休井戸、宇治川三の間の水などは、昔から名水と
して有名です。
名水点は、そのような水を汲んできて、茶の湯に用いるのですが客に名
水であることを示す為に、水指にシメ飾りをしておきます。
またすでにその水が釜に入れられている場合は、釜の蓋にこよりで封を
したりしておきます。
水指は、新しい木地(きじ)の釣瓶(つるべ)を使用します。まず水で
十分に湿らせて置き、シメを張ります。
シメの張り方は、前後に二つ、両横に一つずつ幣をつけて、勝手付の向
こうの角で縄を結びます。
なお、名水点は、濃茶でするのがふさわしのです。
客の心得としては、茶を飲む前に水や白湯を所望して亭主の心入れを汲
みます。
シメ飾りをした釣瓶の前に茶入れを荘り、迎付けをします。茶碗、建水
を運び出し、柄杓を蓋置の上に引いて総礼します。
この時正客は、「お見受けしたしますと、名水をご心配いただいたよう
でございますが、お水を頂戴いたしたいと思います。」と言った挨拶を
します。
亭主はこれに受礼をして、いつものように茶入れ、茶杓を拭き、茶筅を
出し、茶碗を少し前に引き、茶巾を水指の蓋の釜付の方にのせてから、
水指の蓋を取ります。まず釜付のほうの向こうを、右手で少し前に押し
出し、両手で少し出た前方を取り、前に引き出すようにして開け、両手
で右かた客付のほうの蓋の上へ重ねて置きます。
柄杓を取り、水を汲んで茶碗に入れ、柄杓を蓋置の上に引き、水を客に
すすめます。
正客は次礼して名水をいただき、次客に送り、連客一同喫み回します。
正客はころを見計らって名水の由来を聞き、亭主は居前のままで答えま
す。茶碗が戻ると、これを取りこみ、総礼をします。
柄杓を取ってかまえ、釜の蓋を取り、湯を汲んで茶碗をすすぎ、湯を汲
み茶筅通しをします。以下普通の濃茶と変わりありません。
点前が終われば、水指は水屋に引いたほうがよろしい。

木地釣瓶の扱いは、名水点のように釣瓶にシメ飾りをしません。水指の
蓋の扱いは、名水点と同じです。
なお、釣瓶の蓋を閉める時は、開ける時と逆になり、水指を水屋に引か
ずに、柄杓を荘る場合は、湯がえしをせずに、柄杓の合をふせて手の向
こうにかけ、蓋置とともに入の字に荘ります。


<茶席の菓子>菓子のいろいろ
茶菓子は昔、茶人が自ら心して手作りして客に出したものです。材料一
つとっても、その名産地のものを選び、吟味されました。今はそこまで
できないとしても、その心入れは手本にできるのではないでしょうか。
その意味で、旅に出た折りなどにその土地に伝わるお茶と合う菓子を探
してみることをおすすめします。それらの中で、茶席にふさわしい手製
の、真心こもった菓子と出会う可能性もあります。伝統のある有名店の
銘菓ももちろんよいものですが、自ら足を運んで探し求めた地方の菓子
も、その心入れが大いに喜ばれるはずです。


<炭道具>
炭斗    すみとり 炭手前の際に、炭を入れて持ち出す器。
             炭取とも書き、古くは烏府(うふ)と称した。
             唐物と和物があり、藤組・竹組・藤蔓組な
             どの組物ほか、一閑張・瓢・曲物・キンマ
             などがある。

台牛      だいうし 台牛香合(だいうしこうごう)
             @交趾香合。型物香合番付東方関脇。四方
             入角形で、甲に牛が浮彫りされている。千
             家名物のものは、紫釉の中に黄釉の牛が浮
             き出ており、身の部分は緑青釉、底の蓋付
             には天の字がある。古くから交趾香合の中
             で古渡りものの筆頭とされている。京都三
             井家伝来、坂本周斎の箱書付がある。
             A呉須香合。型物香合番付では勧進元。形
             状は交趾と全く同じ。青みを帯びた釉調な
             もので、「古今名物類聚」には「青磁牛」
             となっている。この種のものに藍呉須台牛
             がある。

立唄      たつばい 立唄香合(たつばいこうごう)染付香合。
             型物香合番付西方三段目。ばい貝を立てた
             形。篦(へら)目で渦を付けた染付で線を
             描き吹墨をかけたもの、染付を刷毛がけに
             したものなどがある。