「教えて茶道」Vol,161

七月に入り、暑い夏はまだ、ムシムシ、ベタベタの梅雨が続いています。
少し早いようですが、涼しさを感じさせる点前を紹介いたします。

季節点前、夏は涼しさを感じさせるような点前をいたします。
洗い茶巾は、平茶碗に水を入れる。
名水点は、名水を求めてきて供する。
葉蓋は、涼しそうに見せる。おもてなしのいろいろですね。
順次説明いたします。

<洗い茶巾>
水を入れた洗い茶巾を簡単に述べます。
水の面を見せて涼しさの演出をしています。
これは、極暑の扱いです。
ごく浅い平茶碗に、水を七分目ほど入れて、茶巾の端と端との対角線を取って、
二つに折り、その端を茶碗の右方に少し出し、その上に茶せんを仕組み、茶杓
を普通にのせて置きます。
茶碗に水が入れてあるので、運び点前でも棗、茶碗と同時に運び出すことはし
ません。
茶碗だけを始めに運び、両手扱いで、仮置きします。
棗は右手の平にのせて、建水と一緒に運びます。
水が入っている間は、茶碗を両手扱いです。
点前中
棗、茶杓を清めてから、柄杓をかまえ、帛紗で釜の蓋を取り、帛紗を建水の下
座に置き、柄杓を釜にあずけます。
両手で茶碗を膝前に置き、茶巾を上に引き上げます。その時は、ゆっくりと水
の音が聞こえて、涼しさを感じさせるようにしましょう。
茶巾を半分に折り、ひとしぼりして建水の上でしっかりとしぼります。
広げて茶巾をたたみ、釜の蓋の上に置きます。湯を入れます。
水を捨ててからは、普通の平点前の要領です。


<茶席の菓子>菓子と菓子器
菓子器は菓子との調和や季節によって、ふさわしいものが選ばれます。どんな
名器を用いてもたとえば色絵の器に彩の華やかな菓子は不調和で、色彩や形の
バランスがよく、器、菓子ともに美しく引き立つような取り合わせが考えられ
ます。基本的に、細工のすぎたものや色彩のどぎついものは用いず、雅趣に富
み、気品のある器を用います。
主菓子の器としては、縁高(正式の茶事に用いる塗物で、五種一組が基本)、
銘々皿(縁高を略したもの)、食蘢(じきろう 蓋付の器)、鉢などがあり、
干菓子には主に盆形のものが用いられます。

<炭道具>
独楽   こま    漆工芸品の一種。中国南部およびタイなどの東南アジ
           アを中心に作られた同心円文様を朱・黄・緑などの色
           漆を塗分けたもので、中にはその上から針彫りや金蒔
           絵で微細な文様を加えたものもある。香合・煙草入・
           盆・茶器・菓子器にある。明代より製作されたものと
           思われるが、わが国でも江戸時代に盛んに製作された。
           
菜籠   さいろう  炭斗(すみとり)の一種。籠類をいう。野菜などを入
           れるために作られた籠に内張りを施し、漆塗りをして、
           炭斗としたのにはじまる。和物・唐物があり、四季を
           通じて用いる。

柘榴   ざくろ   柘榴香合(ざくろこうごう)交趾色絵香合。型物香合
           番付東方二段目。柘榴形で、黄・紫・青の釉が交錯し
           ている。三つ割襷(たすき)間に色替りのものあり、
           黄襷を第一とする。

大角豆鐶 ささげかん 鐶の一種。豆の一種である大角豆を輪にしたような形
           のもの。

湿灰   しめしばい 炉の蒔灰。あく抜きをして貯えてある炉の灰に湿りけ
           を与えたもの。火の起こりをよくし、風情を加味する。
           また風炉の蒔灰や筋半田などに用いられる。