「教えて茶道」Vol,157

先日お茶会へ出席いたしました。
主なお道具の紹介を。
掛軸    雲収山岳青   雲おさめ山岳あおし 淡々斎
花入    唐人笠               天竺造
薄器     団扇               一閑
茶杓    銘  水馴棹(みなれざお)     淡々斎
茶碗    黒平 銘 沢辺の蛍         一入
      三島写し              仁阿弥 道八
      乾山写し  青楓          即全
菓子器   天竜寺青磁
菓子    水無月 (みなづき)        京 鼓月
干菓子器  南鐐片木目             淨益
干菓子   青楓   水            京 鼓月

主菓子の水無月は、六月のお菓子で三角白ういろの上にあづきが普通で
すが、今回は透明の葛仕立てでおいしく頂戴いたしました。
水無月菓子の由来は
六月三十日は、前半の節目の時で、「夏越の祓(なごしのはらえ)」という。
半年無事に過ごせた感謝と、盛夏を迎えて疫病災難から逃れたいと言う
願いをこめた「夏越の祓」は、各神社で名前を書いた紙の人形を水に流
したり、茅(ち)の輪をくぐったりするみそぎの行事のことです。
昔はこの日に、氷を保存していた氷室から宮中に氷が献上されました。
その氷を食べると夏痩せしないと言われ、庶民はそれに習い、氷片を表
した餅の生地の上に小豆をのせた水無月(みなづき)と言うお菓子を食
べるようになりました。三角は氷、あづきは悪魔払いを表しています。

<茶花>茶花を育てる
「花は足で入れる」を言われますが、茶花は自分で野山を歩き、自然の
草花を摘み、真心をこめて入れるのが理想です。好みの花を庭に植えた
り、鉢植えで育てるのもよいです。野の花を身近に育てるのは楽しいも
のですし、もてなしの心も感じられます。花を摘んだら、水の中に茎を
深く入れて二度から三度水切します。切り口はなるべく大きくなるよう
に斜め切します。茶花は弱い花が多いので保存にも注意が必要です。
風の当たる所や温度の高い所は避け、できれば暗く冷たい所に紙かナイ
ロンをかぶせて水につけておきましょう。

<茶席の菓子>菓子の味わい
茶席の菓子は、茶席でお茶をおいしくいただくために出されるのが基本
です。菓子をいただいた後、感謝の気持ちと共に、御銘、御製などを亭
主に尋ねる作法は、茶会での菓子の重要な役割を示すものです。
季節感を重視する茶の湯において、菓子もその例外ではなく、四季の風
情や趣向に合わせて、銘や彩を考え、菓子の扱いも変わります。その美
しさ、意匠の素晴らしさが茶席の話題となり、菓子のまろやかな甘味と
共に、心和ませてくれるものです。そして、その後にいただく一服のお
茶を格別な味わいにしてくれます。

<懐石用語>

香物    こうのもの  漬物(つけもの)。古くからこの称が見える。
             江戸時代に、生大根に限るとの説もあったが
             誤りであろう。

焦し    こがし    いり米。湯に投じて飲料とする。茶に代用し
             たりした。懐石には湯汁に入れ塩味を加えて
             番茶代わりに出す。

強肴・進肴 しいざかな  酒を客に強い進めるために出す肴(さかな)の
             意という。塩辛・雲丹など、決まりの献立以外
             に出す料理で、客に好むままに取らせる。

食寵    じきろう   食器。漆器を主とし蓋があるのが通例となった。
             なお重ね食寵もある。書院の棚飾りにも用いら
             れた。懐石では竹籠で蒸し饅頭を入れる。

吸口    すいくち   汁物・煮物に添える香味料のこと。季節の応じ
             た物を使う。柚子・紫蘇・花山椒・山葵など。

清し汁   すましじる  鰹節などを煮だし、醤油・塩で淡白な味をつけ
             て、透明にしたてた汁。おすまし。