「教えて茶道」Vol,153

茶会では、大切な道具を手に取って扱い、拝見する機会があります。
古い陶器や漆器は破損しやすく、傷つけたり、引っかけたりしないようにと粗
相のないよう細心の注意が必要です。時計や指輪などの貴金属のアクセサリー
類は外しておくようにします。洋服で出席する場合は、ネックレスやペンダン
トでお洒落したくなりますが、挨拶で頭を下げるたびにぶらぶら揺れたり、お
茶碗などに触れたりする恐れがあり、ヒヤヒヤいたします。男性のネクタイピ
ンやループタイも避けたいですね。それらをはずした上で、大切な道具を両手
でしっかりと持って扱います。
畳から高く離して扱うと、落とす危険があります。低い位置で拝見するのが作
法です。ひじをひざにつけてその位置で道具類を見ましょう。
洋服の場合には香水も身だしなみの一つのですが、茶席に強い香りをまとって
いくのはタブーです。せっかくのお香の香りや茶の馥郁とした香りを損なうこ
とになります。
懐石料理のにおいもご馳走の一つであることを忘れないようにしましょう。
又香水だけでなく、化粧品の強い香りや男性の整髪料なども要注意です。狭い
茶室の熱気の中で当人は気づかなくとも、周りの人は大迷惑しているかもしれ
ません。
案外見落としがちなのは、着物に付いた防虫剤のにおい。久しぶりにタンスか
ら引き出した着物に、手を通してみたら、強い防虫剤のにおいが鼻につくとい
うことがあります。前日では簡単ににおいが取れませんので、数日前に出して
風通しをしておくといいでしょう。
茶室では、着物からにおい袋の香りがかすかに香るくらいが上品で奥ゆかしい
ですね。


<風炉点前>
風炉になりますと、お点前が少し変ります。ポイントだけを。
風炉・釜は正面左側で、水指は右側。
居前は正面で、客付は右ななめになります。
柄杓の扱いは前回で申し上げましたが、お茶を入れた時は切り柄杓、水を扱っ
た時は引き柄杓。
本仕舞と、中仕舞いがあります。
普通の濃茶、薄茶点前は中仕舞い、仕舞う時お茶杓を帛紗で拭いた後茶碗にふ
せて置き帛紗を左手ににぎり込んだまま、右手で茶碗の右横を持ち、少し左の
方に寄せ棗を右手で茶碗を、正面前に置きあわせします。
本仕舞いは、お茶杓の汚れを建水の上で払い、帛紗を腰につけ、棗、茶碗を水
指前に置き合わせます。4畳半以下の小間の時にいたします。
拝見の道具は客付きに向いて棗を拭いて膝の横あたりに出します。
建水を持ちかえる時、柄杓蓋置を持ってから、ひと膝勝手付きに向き、建水を
持ち、左足を立てたち上がり勝手付きに回って敷き合わせを左足でこえて下が
ります。

<茶花>禁花(きんか)
茶花は花そのものの美しさだけでなく、茶席での調和が大切となります。
茶席にふさわしくない花を禁花と呼ばれ、古くから伝えられています。
たとえば、鶏頭(けいとう)のように色彩が派手で形も見栄えのしない花、沈
丁花(じんちょうげ)ように香りが強すぎて茶席のお香のにおいに影響するよ
うな花、季節を問わず一年中咲く花などが典型です。
このほか、実のある花、刺のある花、食用の花、外来種の花などがありますが、
花も多くの種類や新種が出まわっている昨今、例外的に用いられる場合もあり
ます。要は花に茶味があるかどうかという点が大切で、必ずしも禁花にこだわ
る必要はないとされています。

少し前の新聞で、料理の本を読んでも料理用語が読めないという記事がありま
した。私がパソコンの本を読んでパソコン用語が解らないと同じだと思いました。
次の料理用語がわかりますか?
ひたひた   :材料がつかる程度
湯煎     :容器を湯で温める調理法
ひと煮立ち  :沸騰後、ちょっと煮る
あら熱をとる :ほどほどの熱さに冷ます
いたずり   :まな板の上で塩を振ってこする
すが立つ   :加熱し過ぎて粒状の穴があく
こそぐ    :こすり落とす
吸い口    :吸い物に入れる香りのあるもの
観音開き   :肉などを中ほどで切り開き薄くする
千六本    :大根の千切り

お茶用語のたくさんありますので、次回よりそれを少しずつ取り上げてお知らせします。