「教えて茶道」Vol,152

皆様、連休はいかがお過ごしになりましたか?
今年は休みが飛んでゴールデンウイークならぬシルバーか、あるいは普通
の3連休だし、海外は急性肺炎とテロの世情不安で、近場で過ごす方が多
かったと聞きましたが、皆様はどのような工夫をされたでしょうか?
私は主婦ですから、人込み、高値の時期、子供達の帰省もあり母でもあり
ますから家におこもりです。お陰で、窓ガラスはぴかぴか、玄関に至る宝
塚もびっくりの長い外階段もごしごしと磨き、気になっていた掃除が行き
届きました。いい休養になりました。

薫風香る、豪華絢爛花の季節五月になりました。
炉から風炉に変わり、柄杓の扱いが見せ場になります。
前にも申し上げましたが、もう一度説明を。

柄杓の扱いが、置柄杓(おきびしゃく)切柄杓(きりびしゃく)
引き柄杓(ひきびしゃく)をします。
これは、昔、弓を鳴らして魔よけをしたと言う故事から、弓の所作を取り
入れた作法です。
置柄杓は、湯を汲み終わったあと柄杓を釜の口に置く際、柄杓の中節のと
     ころを右手と人差し指とで柄の横から押さえるようにして置く。
切柄杓は、茶碗に茶を入れ、湯を汲んで必要なだけ入れ、残りを釜に戻し、
     柄杓を釜の上に置く時、合を仰向けにして親指と人差し指の付
     け根に柄を預け、四本指を揃えてのばし、柄と直角に交わるよ
     うにする。
引柄杓は、水を釜や茶碗に入れ、再び釜の口に置く時の扱いで、五本の指
     を揃えて柄の切り止めまで、引いて柄を釜に置く。

少々、扱いにくい、めんどうだと思えますが、
お客様にお見せしている、難しそうにせず、優雅に見せるのも、これもお
もてなしの一つと思えば、稽古の励みになると思います。

柄杓(ひしゃく)について
差通し(さしとうし)と月形(つきがた)、がある。

差通しは、合(ごう、湯を汲む丸い部分)を柄が差し通った柄杓で、
     台子(だいす)、長板の総飾りの時に用いる。
     杓立(しゃくたて)に飾るので飾り柄杓ともいう。
月形は、 一般の点前に使うもので、風炉用と炉用がある。
 風炉用は、合が小ぶりのもので、柄の切止の身の方が削ってある。
 炉用は、合が大ぶりで、切止の皮目の方が削ってある。
「み そぎぞ なつのしるしなり」と、覚えたものです。       


<茶室と露地>窓の意匠
茶室が南向きになったのは利休の時代からで、さらに壁が張付壁(はり
つけかべ)から土壁になり、茶室の向きに関係なく窓が開けられるようになる。
開け方は下地窓、連子窓(れんじまど)、突上窓(つきあげまど)、ま
た風炉先窓、色紙窓と、大切な機能と意匠を持つようになった。
茶室の明かりは「強くアカルフ無程に茶道具ニミ」えるようにとされて
おり、明るすぎてはいけない。ほどよい明暗が茶室の造形をより美しく
見せる。
暗い床、そこにはほの見える掛け物は花。連子の影の意匠として光を透
かす障子。光と影の交錯する美しさを演出するには、窓とその意匠の果
たす役割は実に大きい。