「教えて茶道」Vol,148

親しい友人をお招きして、茶事もどき(まねごと)をいたしました。
我が家には日本間がありません。床は畳、ふすま障子はなくて、カーテンに、
ドア。床の間のような所に軸をかけたりしています。炉は切ってありますが、
電気です。と、なんともはやちぐはぐなしつらえですが、そこはいつも申う
しておりますように、臨機応変にこだわりなくいたしました。と言うか、こ
だわっていては、いつまでたっても茶事はできないことになりますので。
緊張するためにするのではなく、わいわいとお茶を楽しもうと言う計画なの
で、お菓子、濃茶、続き薄茶、薄茶は替り合って点てて、その後はテーブル
席で食事、お喋りと共に楽しみました。お菓子やお茶はそれぞれ持ち寄り、
私は食事を担当いたしました。
道具類は、
軸     花開蝶自来
花     うつぎの、白、赤の椿(我が家の庭製)
花入    信楽 旅枕
茶入    味楽(濃茶を入れて持参していただきました)
薄茶器   老松茶入
茶杓    千代の友
濃茶茶腕  長次郎写し紫野焼
薄茶茶碗  有田焼 枝垂れ桜
      丹波焼 花びら
菓子鉢   都踊り 永楽
主菓子   花見団子
干菓子盆  木地丸盆
干菓子   桜、蝶、流水

食事    まぐろといかの椿仕立ての刺身、 
      古代米のごはんにたくあん、若菜蒸し、
      レンコン、カボチャ、かぶらの三色団子、サーモンの千枚漬巻
      わかさぎの甘露煮、
      グレープフルーツのサラダ、豆腐の鱈子炒め
正月の初釜は時々いたしましたが、このような時期は始めてで、お客様用に
始めて使った道具類もあり、有田への旅行先で買い求めた茶碗が使えたのも
うれしかったです。買い求めても使ってこそ価値のあるもので、箱に眠って
いるのでは道具もかわいそうです。
まぐろといかの椿仕立ての刺身、これはマグロ、イカの身をそぎ切りにして
、花のように巻いて、椿の葉を添えてお出ししました。マグロの赤、イカの
白が、二色のつばきが咲いているようで、これは抜群の出来でした。
皆様も気楽なミニ茶会を手持ちの道具類で催してください。ない物を何で補う
かと頭を悩ませるのも勉強になりますよ。

<お知らせ>
ランディ先生が茶会を持たれます。
私はお手伝いいたします。
一般の方も参加できますので、気楽にいらしてください。
4月20日 日曜日 10時〜2時
京都 梨の木神社にて
会費 ¥1500
     


<茶室と露地>中門
中門は迎え付けの場である。天正のころまでは外露地で迎えたが、その後こ
の中門で迎え付けするようになった。
ここで、客が無言の挨拶をするのは、禅家での問訊低頭(もんじんていとう)
の心を表す。
茶家によって中門のしつらいはさまざまである。
普遍的な中門は二本の掘っ建て柱に腕木を挿した切妻屋根の棟門形式梅軒門。
門の前後に客石や亭主石、乗越石などの役石(やくいし)が配されて中門の
体をなす。この中門は、茅の屋根や玉石敷きなどにより独自の侘びの表現に
なっている。
ほかに中潜(なかくぐり)と呼ぶ形式もあり、これは高塀に潜り口を切っ
たもので、茶席のにじり口と同義の働きを明示する。


<茶事>茶事の種類

暁(あかつき)茶事
夜から朝への移りや残灯を楽しむ冬季に行う茶事で、午前四時に案内して
約三時間の間に、前茶、初炭、懐石、中立ちをして濃茶、続き薄茶の点前
をします。

飯後(はんご)茶事
一名菓子茶事とも呼び、一年を通じて行われ、文字通り食後の時刻に案内
する茶事です。
風炉の場合、吸い物八寸や点心程度のごく軽い食事の後、初炭、中立ちを
して濃茶、続き薄茶の点前をします。
炉の場合は初炭、吸い物八寸などの軽い食事の後、中立ちをして濃茶、続
き薄茶の点前をします。
この茶事では正午の茶事のように形式が定まらず、順序が入れ替わったり
略されることもあります。

跡見(あとみ)の茶事
亭主から客を招待して催す茶事に対して、跡見の茶事にかぎり客の方から
亭主に申し込むことになり、亭主にとっては二度の催しであり、よほどの
懇意な間柄でないと申し込みません。吸い物八寸、炭改め、中立ちをして
濃茶、続き薄茶の点前をするが、順序の入れ替わりや略されることもあります。

臨時(不時 ふじ)茶事
茶事を催す場合は前もって案内をするのが普通だが、突然の来客を迎えて
茶事を催すこともあり、それを臨時(不時)の茶事と呼びます。
定方がなく、亭主の働きの見せどころの多い茶事といえます。