「教えて茶道」Vol,141

<季節点前>
厳寒時には、筒茶碗を用いたりいたします。
暖かさの演出でもあり、又温度が逃げにくい茶碗です。
水屋で、湯に入れて温めておき、持ち出す直前に、湯を捨て茶巾、茶筅
茶杓を仕組みます。
点前では、茶筅通しをして湯を捨て、茶巾をとる時に、右手人差し指と
中指とではさむように持ち、茶碗内の底を「い」「り」と拭き、茶碗の
縁に茶巾をかけて、三回半回して拭き、茶巾を茶碗の縁にかけたままで、
右手で下に置き、茶巾を抜きとり、左手のひら上で元のようにたたんで
から、釜の蓋の上に置きます。
<しぼり茶巾を用いた場合>
湯で絞った茶巾をそのまま茶碗に入れ、取り出す時には、右手人差し指
と中指で取り出して釜の蓋の上に置きます。
茶碗に湯を入れてから茶巾をたたみます。少しでも茶碗を温めておく工
夫です。筒茶碗の筒が深い場合は、少し斜めにするとお茶が点てやすい
です。筒が細い場合は、柄杓の合の小さいものにしてもいいでしょう。
扱う時には胴を横からにぎるように持ってもいいです。

<茶杓>茶杓の筒の真、行、草
茶杓と筒は真(しん)、行(ぎょう)、草(そう)の格式が定められています。
特殊な点前を除いて、普通用いられるのが草の茶杓です。利休の定めた、
茶杓の中ほどに竹の節を残した中節(なかぶし)です。筒は、上下がい
くぶん細く皮目を禾風(のぎふう)に削り、銘などの文字を書く部分が
平面に削ってあります。
行の茶杓は、切止に節を残した止節(とめぶし)で、筒は上下に皮目を
揃えて残す、しのぎ削りしたものです。
真の茶杓は、象牙、または竹の無節のものを用い、切止の部分が外開き
になっています。筒は竹の表皮をすべて削って、磨きをかけたもので、
四ヶ伝などの古式の点前に用いられます。

<茶会の着物>コート
着物で茶会に出る時には、よほど暑い季節はともかく、道中着を着ます。
雨や雪の日には当然コートになります。これらの着物の上に着るものは、
すっきりした色や柄を選びたいです。その方がさまざまな着物に合わせ
やすいです。席には着て出ないのだから、あまりルールにこだわらなく
ていいです。
雨ゴートなら薄手の紬地や縞大島などで仕立てるのも楽しいかもしれません。
夏の雨用は、濃い色や絽や紗にすれば、透けて見える着物も涼しげでしょう。
冬コートは洋服地でもいいですし、黒や紺のコート地に、裏は華やかな
花柄などにするのもおしゃれで楽しいでしょう。
今は洗える着物も、言われないとわからないほど、いい物がありうまく
組み合わせて着るのも便利でいいかもしれません。