「教えて茶道」Vol,139

稽古を始めたらただ漫然とやるのではなく、何か目標を持つといいでしょう。
他の人が三ヶ月ぐらいかかるのを一ヶ月ぐらいで覚えてみようかとか、一年
の掛軸、花、花入れをメモしてみようとか、自分の力量に合わせてできるこ
とを目標としてみます。一度にたくさんの目標を持っても無理なので、一つ
の目標に重点的に挑戦すると言うのもいいのではないでしょうか。
背伸びをせず、焦らずに一つずつ達成していくことによって、けいこをして
いる自分自信への励みになります。そのような目標があるとないとでは、け
いこに対する熱意や茶道に対する興味なども大きな差がでてくるものです。
今年は茶事の勉強をしてみようなどと、稽古場の皆さんと共通の目標を持つ
ということもよいでしょう。


<二月の茶会の趣向と銘>
「銘」 雨水(うすい)浅春 春寒(しゅんかん)春雪 雪間
    上げ松葉(あげまつば)薄ら永(うすらひ)野山焼く
    下萌(したもえ)
    鶯(うぐいす):匂い鳥 鴬宿梅(おうしゅくばい)春告げ鳥
    梅:花の兄 此花(このはな)好文木(こうぶんぼく)未開紅
    柳:芽張柳(めばりやなぎ)糸柳
  
二月の異名 如月(きさらぎ)初花月 梅見月 

掛物  梅花和雪香(ばいかゆきにわしてかんばし)
    銀盤裏盛雪(ぎんわりにゆきをもる)
    一華開五葉(いっかごようにひらく)
    春水満四澤(しゅんすいしたくにみつ)    
            
歌銘 花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや
    藤原家隆
   長閑なる夕の山はみどりにて霞たなびく青柳の糸
    松平不昧

趣向  節分、立春、初午、梅花祭などに合わせた趣向。
    寒さが厳しい時季。夜咄(よばなし)や暁の茶事がふさわしいです。
    小間の席に短冊か消息幅、広口釜の大面取釜や野溝釜などで
    湯気が立ち上るのも温かい風情です。
    梅花祭にちなみ、床の花に菜の花、絞り茶巾で暖かくもてなすのも
    亭主の心遣いです。  

<国語の時間>
日本語で遊びましょう、正解は?

1. いずれ男は好きになった女性の「あられもない」姿を想像することには
   ためらいが付きまとう「あられ」ってなにだろう?

@ 露われ、つまり露出させてはいけない部分まですべてをさらけ出したから
  「はしたない」という意味。
A 「あられる」の省略。つまり「あるべき」姿の意味で、それがないから「と
   んでもない」という意味。
B 「あられ」は宮中の女官たちが恥じ入る時に発した言葉。その言葉も出な
   いほどの醜態をさらしてしまった様子。

1.「あられもない」とはふつう、自分の目を疑うほどドキンとする場面に使
   われる。たとえば、いつもは取り澄ました美人が、酔いつぶれて太腿も
   あらわに椅子からひっくり返った状態などだ。
   ふだんからダラシのない男が酔って裸踊りを披瀝しても「あられもない」
   とは言わない。この場合は「また始ったか」でオワリ。
<正解>はAで、「あられ」は動詞の「ある」に助動詞の「れる」がついた
    「あられる」が語源。あくまで「あるべき」姿が基本になる。