「教えて茶道」Vol,138

先日一月最後の初釜に行って参りました。
大寄せの茶会ですから、あまりいい雰囲気ではありませんでしたが、
道具類はすばらしいのものや勉強するものがありましたのでお知らせします。

濃茶席
軸   (bP36で説明いたしました和歌の軸が使われていました)
   近衛家熙公筆懐紙 春日同詠庭上鶴和歌
   「住みなれてここをば千代の友とみよ 年ありげなる庭の葦田鶴」
花  寒牡丹
花入 古銅龍耳
香合 振振(ぶりぶり) 五代 宗哲 (bP35で説明いたしました)
真台子
皆具 唐銅口糸目  十代浄益
釜  重もち釜 住吉地紋 古芦屋造
   お鏡餅のようにもちが重なってるように見え温かみを感じました

薄茶席
茶杓  淡々斎在判
   銘 黄初平(こうしょへい)
    中国晋代の仙人。円谿の人で金華山の石室に住し、山の石を
    鞭打てばことごとく白羊となったという。
    今年は未年なので、この茶杓を使われたのでしょう。
    私も始めて聞いた銘でしたから勉強になりました。


<茶杓>
抹茶を点てて飲むことは中国から伝わったので、茶杓も当初は中国から
渡った芋茶杓が用いられました。芋の葉のようなさじと柄の下葉が球状
になっているのが特色です。材料は主に象牙で、他に鼈甲(べっこう)
金などもあったと言われています。
竹は入手しやすく、茶碗に対するあたりも柔らかいことから使われるよ
うになりますが、節にない煤竹(すすだけ)主流でした。
その後、千利休が、中節茶杓を考案しました。真竹の白竹を用い、茶杓
の中ほどに節をおき、その裏を深くくくり上げて高くしたものです。
これが利休形と呼ばれ、茶杓の典型とされます。

<茶会の着物>
茶会は季節を楽しみ、趣向を楽しむもの。茶会の着物もまた、その場に
ふさわしく、季節や趣向に合わせ、かつ楽しみたいです。
色無地に織の帯の組み合わせが一般的で、しかも紋付であれば正装にも
なります。
色無地の場合は、季節によって色を変え、また帯の色や文様によっても
季節や趣向を反映させることができます。
訪問着は、一つ紋か三つ紋をつければ格式のある茶会にもいけます。
付け下げや江戸小紋の一つ紋付きは月釜茶会などに向きます。
小紋や紬はお稽古茶会程度にふさわしいでしょう。