「教えて茶道」Vol,126

先日のお茶会では五行棚を使用していました。
十月のお茶会はいろいろ趣向があって、楽しく、又道具の勉強が出来ます。

五行棚 (ごぎょうだな)
小棚は水指を置くものが多いなか、十月の風炉の中置の点前で、風炉を
おさめる棚として玄々斎が好まれた物。
風炉は土風炉を使う約束として、焼杉の木目洗出しの天板と地板の間に、
木(竹)の柱、炭の火、風炉の土、釜の金、湯の水がおさまっていること
から、五行棚と名づけられた。
竹の三本柱は、客付側は二節、勝手付側は三節、向こう側は一節で、易学
には客は陰(いん)、主が陽(よう)とあるので、客付を陰の数である偶
数にする。
天地乾坤(陰陽)と五行をもって陰陽五行を体現する姿である。

       −−−−−−−−−ー 天板
       |   |    |
勝手付三節  | \ 釜 / |客付二節
       |  \風炉/  |
     ● ー−−−−−−−−− 地板
      ↑この辺りに水指

五行棚を中置、十月に用いるのは、十月ともなれば寒さを感じる頃になり、
お客様の方へ火を近づける意味もあるます。
陰陽五行からの説明によると、風炉の定坐は陽のに位し、炉も陽位である
ところから、点前畳の中央に据えるのは陽から陽へ移る中間の位置となる。
十月名残の月は亥(い、いのしし)月に当り、極陰の月になればと考えら
れる。

上記のように説明が書かれています。
陰陽五行は何かと、問われれば、それは奥深くつきないでしょうから簡単
にさわりだけを書きます。
中国の戦国時代において、陰陽説と五行説と呼ばれる中国古代哲学が流行
し、漢代に至って五行説は陰陽説と同化していった。
陰陽説は生命の根源であり、宇宙の活力になるものは「気」であり、それ
は陰と陽からなり、宇宙の万物は陰と陽の二気によって形成されているた
め、自然界の秩序は保たれている。
人間生活にとっては、五行という木火土金水(もくかどごんすい)の五元
素が最も重要であり、宇宙のあらゆる事象は五行の五元素の働きによる。
木は火を生じ、火は土を生じ、土金を生じ、金は水を生じて、宇宙は変化
、循環し、めぐっている。
そして陰陽五行説は十干十二支と結びつき、さらに天文、気象、中国暦や
易、八卦などへと変遷していった。

言葉だけなら皆様もお聞きになったことがおありでしょう。
そんな哲学的な、又禅精神も取り入れているのが茶道なのです。
おいしいお菓子やお茶を飲んでいるだけではない興味の尽きない道であり、
そこが私達を引き付ける魅力だと思えます。
四角い棚に柄杓を飾る時は、ごうを上向けて、丸卓の時はうつむけて等は
四角は陰、上向きごうは丸く陽を表し、丸棚は陽で、ごうをうつむけるは
角を見せているので陰となり、このようにして陰陽を表しています。
そう説明されれば、なるほどと、うなづけるものがありますね。