「教えて茶道」Vol,114

台風が次から次へとやってきましたが、被害はございませんか?
天気も落着かず、雨が降りそうで降らず降らないと思えば降ったりと、
ややこしい天気の毎日です。
皆様の地方ではいかがですか?どうぞお気をつけてくださいませ。

先週「教えて茶道」が3部も配信された所もおわりでしょう。
申し訳ございません。実は、私の所へは、1部も今だ届いていないのです。
E-Magazineの説明によると「おそらくサーバー攻撃の影響で、一部のマガジ
ンの配送未了、配送遅延が原因だと思われます」言う事だそうです。
配信のない方は、こちらからお送りいたしますので、ご連絡ください。


季節点前 葉蓋を説明いたします。

<葉蓋>
葉蓋の扱いは、水指の蓋の替わりに、木の葉を蓋とするので、
時期は夏がよいのです。この扱いは薄茶点前だけのものです。

この扱いは、裏千家十一世玄々斎の創案で、ある年の七夕の趣向の茶会
に、自分の好みの末広籠の花入れの受け筒に梶(かじ)の葉を蓋して
使用したのが始まりになります。
末広籠の受け筒と言うのは、黒塗りの桧の曲に、切箔を散らしたもので
すが、陶磁器の水指でもさしつかえはありません。
しかしこの扱いは、運びで、木の葉の蓋にしますから、大きな水指は使
用できません。
蓋にする葉は、梶の葉、ぶどう、桐、蓮、里いも、蕗などの大きな葉が
よいのですが、毒素や悪臭のある葉、汁の出る葉などは用いません。
適当な葉をよく洗い、表を上向きに、葉の軸が自分の前にくるようにし
て、水指の上に置きます。置きやすいからと、葉をうつ向けに置くのは
いけません。
その時の催しの趣向にふさわしいものを使用するといいでしょう。
たとえば七夕の趣向なら、梶の葉、追悼会などの仏事の趣向なら蓮の葉
等を使用すると趣があります。芋の葉などの時は、わざと葉の上に露を
ためておくと、いかにも涼しそうに感じます。この場合、露をこぼさな
いよう、まず両手で葉を取り、建水へ露をこぼして、その後で、葉を折
ります。
葉蓋をした水指を建付け置いて総礼し、水指を運び出し棗、茶碗を水指
前の置き合わせ、以下普通運び薄茶の点前と同様です。
水指の蓋を取るとき、葉蓋ですから、まず右手で蓋前を取り、左手を添
えて二つに折り、茎が左勝手付きに向くように横にします。それを、幾
つという定めはありませんが、葉の大きさによって、三つか四つに折っ
て、茎の端をその折ったところに差します。これは折った葉が開かない
ようにするためです。それを、左手で建水の中に入れます。以下同様です。
終りの柄杓を取って釜に水をさし、柄杓をかまえて釜の蓋を閉めると、
正客から拝見を請われます。(通常は水指の蓋を閉めてから拝見ですが)
柄杓をかまえたまま軽く一礼して、柄杓を蓋置の上に引かずに、すぐに
建水にあずけ、蓋置を建水の後ろに置いて、いつものように棗、茶杓を
拝見に出します。


<水屋での準備>
水指の扱い
まず、水指全体に水をかけて清め、水かめにくみ入れた水を水こしを使って
入れます。分量は運び水指のときは、八分目ほど、置き水指の場合や棚に飾
る場合は、九分目ほど入れます。
次に、水指の口、胴などの水を拭き取り、蓋を清めてから蓋をします。
水指が南蛮、備前などの釉薬(うわぐすり)のかかっていない物、木地釣瓶
(きじつるべ)などはたっぷりと水につけ、ぬらして用います。
運ぶ時は、両手で胸の高さに持ち、手の指は離さず揃えます。両脇のしたに
卵を一つ挟みこんだような心持で、ひじを丸く張った姿勢をとります。